インターネット上で「男なら一度は見たことがある場所」として語り継がれ、独特の天窓と水面がアイコンとなっている通称「例のプール」。成人向けコンテンツ(AV)の定番ロケ地として知名度を獲得したこの場所は、いまやSNSのネットミーム枠を超え、メジャーなテレビ番組、特撮ヒーロー作品、アニメのパロディ、さらにはVTuberの3D配信背景にまで進出する一大サブカルチャー現象となりました。
ネット上では「どこにあるのか」「一般人でも入れるのか」「現在はどうなっているのか」といった疑問が絶えません。本稿では、スタジオの正式名称や運営実態、新宿にある具体的なロケーション、レンタル料金、そしてなぜこれほどまでに日本人の記憶に深く刻み込まれたのかという社会的背景まで、2026年最新の情報と取材データをもとに解説します。
【場所と正式名称】「例のプール」はどこにある?新宿・花園ルームの基礎データ
ネット上で長年親しまれている「例のプール」の正式名称は「Hanazono Room(花園ルーム)」です。スタジオ運営を手掛ける株式会社ピースマインドが管理するハウススタジオ「P-Studio」グループの代表的な撮影ルームとして登録されています。
所在地は東京都新宿区新宿1丁目の閑静な一角に位置するマンションの最上階(9〜10階のペントハウス構造)です。最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線の「新宿御苑前駅」から徒歩数分という極めてアクセスしやすい都心に位置しています。元々は高級レジデンスの特別フロアやモデルルームとして設計された経緯があり、室内でありながら開放的なガラス張りの天窓と、幅約4m×長さ約6mの本格的な温水プールが設置されている点が最大の特徴です。
スタジオ内にはプールサイドだけでなく、吹き抜けの階段、ガラス張りの浴室、ベッドスペース、リビングエリアがシームレスにつながっており、限られた床面積のなかで多彩なシチュエーションを効率的に撮影できる導線設計が施されています。
【元ネタと歴史】なぜ「男の共通記憶」になったのか?爆発的ミーム化の変遷
このスタジオが「例のプール」と呼ばれるようになった元ネタの歴史は、2000年代中盤に遡ります。当時、アダルトビデオ(AV)業界では制作本数の急増に伴い、天候に左右されず水着や水辺のシチュエーションが撮影できる都内の屋内温水プール付きスタジオの需要が急増していました。その条件に完璧に合致したのが花園ルームでした。
2000年代後半になると、複数の主要メーカーがこのプールを舞台にした作品を相次いでリリースしたことで、インターネット掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」や画像掲示板において、「またこのプールか」「どの作品を見ても背景が同じ」と話題になり始めました。特定の作品名を挙げずとも画像1枚で誰もが同じ文脈を理解できることから、「例のプール(That Pool)」という符丁が自然発生的に定着していったのです。
2010年代以降は、その知名度が逆輸入される形で一般メディアへと進出しました。日本テレビ系『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の特番ロケや、テレビ朝日系の特撮ドラマ『仮面ライダーフォーゼ』での劇中シーン、さらには有名アーティストのミュージックビデオやアニメ作品の背景パロディなど、メジャーカルチャーとサブカルチャーの境界を越えて起用され、ポップアイコンとしての地位を確固たるものにしました。
【料金と撮影利用】個人でも借りられる?スタジオ利用規約と費用シミュレーション
花園ルームは、プロの撮影クルーだけでなく個人の撮影利用やコスプレ撮影、イベント利用にも開放されています。完全予約制となっており、事前に空き状況を確認した上で申し込みを行うシステムです。
レンタル料金はスチール撮影(静止画)とムービー撮影(動画)で基本設定が分かれており、利用時間帯やシーズンによって変動します。以下は、公式案内データおよび業界相場を比較した利用プランの一覧です。
| 利用プラン・項目 | 詳細・料金目安 | 一般的なスタジオ相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| スチール撮影(1時間) | 約16,500円〜22,000円前後(税込) | 1時間あたり10,000円〜18,000円 | 温水プール設備と自然光の天窓を考慮すると都内では妥当な設定 |
| ムービー撮影(1時間) | 約22,000円〜27,500円前後(税込) | 1時間あたり18,000円〜30,000円 | 防音・電源容量が確保されており商用ロケにも十分対応可能 |
| 最低利用時間 | 基本3時間〜5時間以上 | 3時間〜4時間固定 | 準備・撤収を含めると半日枠での予約がコスト効率的 |
| ロケハン・事前見学 | 予約制(空き時間枠にて30分程度) | 有料または無料(時間指定) | 撮影本番の予約前提でのみ受け付けるケースが多いため事前確認が必須 |
なお、プールに実際に水を張って入水撮影を行う場合や、温水循環機能を使用する場合は、水道光熱費や給排水準備のためのプール利用特別料金(約1万〜3万円程度)が別途加算される規約となっています。
【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル
実際に花園ルームを利用したカメラマンやクリエイター、コスプレイヤーの証言によると、画面越しに見る印象と現場での実体験にはいくつかの明確な特徴があります。
現場を訪れた利用者が共通して語るのが、「採光の美しさと空間設計の秀逸さ」です。天窓から降り注ぐ自然光が水面に反射し、室内の壁面に独特の光の揺らぎを作り出すため、高度なライティング機材を持ち込まなくても雰囲気のある絵が撮れるという撮影現場としての基礎体力の高さが評価されています。
一方で、注意点として挙げられるのが「実際のサイズ感」です。広角レンズで撮影された映像作品を見慣れていると非常に広大なホールを想像しがちですが、実物はマンションのペントハウスフロアであるため、プールサイドの通路や機材の置き場所は意外にコンパクトです。機材の持ち込み量が多い商用撮影では、スタッフ人数のコントロールがスムーズな進行の鍵となります。
【カルチャー分析】なぜ日本人は「例のプール」を共有するのか?ネット民俗学と心理的共鳴
「例のプール」現象の特異性は、単なるロケ地の知名度にとどまらず、「共通の秘密を共有する連帯感」という心理的メカニズムによって支えられてきた点にあります。
社会心理学やネット民俗学の観点から分析すると、この現象は日本の成人男性を中心としたデジタルコミュニティにおける「ハイコンテクストな共通言語」として機能してきました。露骨な単語や成人向け表現を一切使わずに、「あのプール」「例の場所」という曖昧な表現だけで相互理解が成立する構造は、ネット上での一種の内輪ネタとしての強固な結束感を生み出しました。
加えて、本来はアングラでプライベートな領域に属していた空間が、メジャーな地上波テレビや特撮ヒーロー番組という「表舞台」に登場した際のシュールなギャップが、ミームとしての寿命を飛躍的に延ばす起爆剤となりました。日常の中に潜む非日常の記号として、デジタルネイティブ世代のユーモア感覚に見事に合致したと言えます。
【プロの結論】撮影利用に向いている人・慎重になるべき人の判断基準長年愛される名所である花園ルームですが、実際の利用においては目的によって向き・不向きがはっきりと分かれます。編集部が提示する具体的な判断基準は以下の通りです。
【利用を強くおすすめできる人】
- ミームの文脈を取り入れた企画制作を行いたいクリエイター:YouTubeの企画動画やVTuberのコラボ企画、パロディ作品など、視覚的なインパクトと引きの強さを重視する制作。
- 水着・フィットネス・コスプレ撮影を行いたい個人・サークル:天候に左右されず、都心でラグジュアリーな水辺の撮影を完結させたいケース。
- 作品の聖地として記念撮影を行いたいファン:仲間内でのシェア利用で費用を分担し、ロケーション体験そのものを楽しみたいグループ。
【利用に慎重になるべき人】
- 広大なスペースと大人数のスタッフを想定している大規模ロケ:ペントハウス構造のため搬入エレベーターのサイズ制限や待機場所の制約があり、大型機材の展開には限界があります。
- ネットミームの文脈を完全に排除したシリアスな商用ブランディング:視聴者の多くが「例のプール」として認識してしまうため、企業の真面目なPR動画などでは意図しないノイズや先入観が生じるリスクがあります。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
ネット上で流布している「例のプール」にまつわる噂の中には、事実とは異なる誤解も少なくありません。代表的な3つの誤解を検証します。
誤解1:成人向け作品専用のスタジオである
これは完全な誤りです。花園ルームは開業当初から一般的なレンタル撮影スタジオとして運営されており、ファッション雑誌のグラビア、音楽PV、テレビドラマ、Web広告など、幅広いジャンルの撮影に利用されています。成人向け作品の撮影にも対応しているスタジオの一つに過ぎません。
誤解2:一般人は見学や立ち入りが一切できない
「業界関係者しか入れない秘密の場所」と思われがちですが、所定の予約手続きと利用料金の支払いを経れば、個人や一般のコスプレイヤーでも正規にレンタル可能です。ただし、無断での立ち入りや観光目的の飛び込み見学は固く禁止されており、必ずスタジオ側の規約に従った予約が必要です。
誤解3:すでに閉館・取り壊しされている
老朽化やリニューアルの噂がネット掲示板で定期的に囁かれますが、スタジオは設備メンテナンスを行いながら現在も現役で営業を続けています。
【例のプール(関連情報)】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:例のプールを個人で借りる場合、いくらくらいかかりますか?
A1:スチール撮影の基本料金(1時間あたり約16,500円〜22,000円)に加え、最低利用時間(3〜4時間)の設定があるため、入水オプションを含めると概ね6万〜10万円前後が最低予算の目安となります。複数人のグループで割り勘して利用するケースが一般的です。
Q2:見学(ロケハン)だけをすることは可能ですか?
A2:スタジオの空き状況に応じてロケハンを受け付けている場合がありますが、原則として「実際の撮影予約を前提とした事前確認」に限られます。観光気分での見学のみの利用は受け付けていないため注意が必要です。
Q3:なぜ他のプールスタジオではなく「花園ルーム」だけがここまで有名になったのですか?
A3:都心(新宿)という抜群の立地に加え、天窓から自然光が入る室内温水プールという唯一無二のロケーション特性があったため、2000年代の制作現場で起用が集中しました。その結果、ネット黎明期の画像掲示板で「またここか」と同一背景が認識されやすかったことが決定的な要因です。
「例のプール」ことP-Studio花園ルームは、単なるロケ地の枠組みを超え、日本のインターネットカルチャーが育んだ稀有な文化的モニュメントと言えます。2000年代のアダルトビデオ黎明期からSNS全盛の現代に至るまで、時代ごとのクリエイターたちに愛され、パロディとオマージュを通じてその価値を再生産し続けてきました。
現在でも新宿の現役スタジオとして多くの撮影に利用されていますが、実際に利用を検討する際は、スタジオの利用規約や設備制限を正しく把握し、ミームとしての強いパブリックイメージを作品の味方にできるかどうかを冷静に見極めることが成功への鍵となります。